2009年9月18日金曜日

公職選挙法が改正されないのは 言語道断(ジェラルド・カーティス氏)

(転送・転載歓迎)

ジェラルド・カーティス氏(コロンビア大学教授)が、
「日本には二大政党制は合わない?」(日経ビジネスオンライン配信)記事。
その中で書かれている文。
[公職選挙法]についての辛口コメントの部分を抜粋紹介いたします。
なお全文は、下記アドレスで読めますので、ぜひどうぞ。

記者会見などで彼を動画で見た印象では、カーチィス氏から、
少し白人優位性を受ける部分がありまが、
外国人の目から冷静に見た日本の政治についての(上・下巻)文章は、
参考になると思います。

「日本には二大政党制は合わない?」ジェラルド・カーティス氏が読み解く“自民党政治”の崩壊(下)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20090908/204202/

「もう元にはもどらない日本の政治」ジェラルド・カーティス氏が読み解く“自民党政治”の崩壊(上)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20090908/204235/

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 公職選挙法は、海外では考えられない非民主的な選挙運動規制を定めている。文書図画の頒布制限、候補者による有料広告の全面禁止、事前運動の禁止、戸別訪問の禁止に加え、さらに公示の日からインターネットを使った選挙運動まで禁じている。現代民主主義で許されるはずの有権者と候補者の交流、候補者に関する情報の入手が制限されているのである。

こうした法律が改正されないのは言語道断で、成熟した民主主義国という日本のイメージに大きな傷がつく。公職選挙法による選挙規制は事実上、憲法で保障された言論の自由を否定している。
 選挙規制の多くは、旧自治省(現総務省)が、日本人は政治的に未熟で封建的な風習が残っているという理由で導入したものだ。戸別訪問など、非民主主義的な価値観に訴える選挙運動を規制しようとしたのである。

公職選挙法が改正されないのは言語道断

 しかし、もともとの動機がどうであれ、そうした規制が温存されているのは、新人から名前や顔を売る機会を奪えば選挙で有利になると考える現職議員と、今だに保護者のような立場で「未熟な」有権者を見下し、過剰規制が生む特権にしがみついている総務省の役人が、手を組んで規制を守っているからである。

 選挙規制は、運動資金に上限を設け、資金の流れを透明にすることと、票の買収など本当の不正行為を禁じることに限定すべきだ。21世紀にインターネットによる選挙運動を禁止するのは世界に恥じることである。公職選挙法による選挙運動の規制の抜本的改革を必要とする時代になったと思う。


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<ジェラルド・カーティス氏>

コロンビア大学政治学教授。日本の政治研究の第一人者。1940年米ニューヨーク生まれ。62年米ニューメキシコ州立大学卒業、69年米コロンビア大学大学院政治学博士課程修了。76年から現職。早稲田大学客員教授。67年に博士論文の執筆のため来日、第31回衆院選挙で大分2区から出馬した自由民主党の佐藤文生(故人)候補に密着。この博士論文を基に、71年に『代議士の誕生』を出版した。三極委員会委員、米外交問題評議会委員、米日財団理事。大平正芳記念賞、中日新聞特別功労賞、国際交流基金賞を受賞、旭日重光章を受章。主な著書に『日本型政治の本質』『日本政治をどう見るか』『永田町政治の興亡』『政治と秋刀魚』など。9月25日『代議士の誕生』が日経BPクラシックスの1冊として新訳で刊行される。

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